パパ、今度お友達が一戸建てを購入するんだって。
住宅業界に勤めていたパパなら、との会社をおすすめする?
そうだなぁ、工法とか知識とか覚えることは山ほどあるけどね。
まずは住宅業界の内情を知っておいた方が良いと思うよ。
タ◯ホームの営業さんが書いた本が面白いよ。
パパの好きな「住宅営業マンぺこぺこ日記」だね(笑)
住宅営業の経験があるパパから見てもリアルが詰まっている本だよね。
そうそう、お客さんになる前にまずは読んでおくべきだね。
あと、ハウスメーカーには就職しない方が良い理由もわかるよ(笑)
なんか、読むのが怖いけど面白そう!
どんな本なのか教えて〜!
こんにちは!住宅営業歴10年のあいろん(@iron_money)です。
今回は業界内情がよくわかる書籍「住宅営業マンぺこぺこ日記」から住宅業界の闇をご紹介します。
この記事は、こんな方に向けて書いています。
結論としては、下記になります。
それでは早速いってみましょう!
住宅購入前に読みたい一冊「住宅営業マンぺこぺこ日記」
「住宅営業マンぺこぺこ日記」は職業と人生を綴る「ドキュメント日記」シリーズであり、2022年に発売されました。
著者はローコスト住宅メーカーのタマゴホーム(仮名)で10年間営業マンとして勤務していました。
本書の特筆すべき点は、圧倒的なリアリティです。
住宅営業経験者のパパから見ても「ここまで暴露しちゃって良いの?」と心配になるくらいリアルだったそうです。
パパ曰く、ハウスメーカーでは常識に近い「業界の内情」や「常軌を逸する激務ぶり」が本で読めるそうだよ。
正直、リアルすぎて読んだら引く可能性もあります。
しかし住宅購入を検討している方はもちろんのこと、住宅業界に興味がある方も間違いなく読んでおきたい一冊です。
住宅には「工法」とか「資金計画」とか「プラン」とか差別化項目は色々あるんだけど、前提として「住宅会社が何を考えているか」知ることができる本は貴重です。
たしかに、テクニックよりも先に「会社としての考え方」を知るのは重要だよね。
住宅業界の平均年収について
今回はパパが自身の経験と「住宅営業マンぺこぺこ日記」を参考に、住宅業界の大変さを中心に紹介していきます。
住宅営業は総じて激務ですが、忘れてはいけないのが「大手ハウスメーカーは平均年収が高い」という事実です。
代表的なハウスメーカーの年収については、パパがこちらの記事で紹介しているよ♪
中堅〜大手と呼ばれるハウスメーカーでも年収ベースで600万円〜850万円程度のレンジがあることがわかります。
ただし、ハウスメーカー自体が「超実力主義」であることを考えると、平均年収に意味はないです。
成績上位者は年収1000万円を楽勝で超えるそうです。
その分売れてない営業マンは300〜400万円程度の年収で休みなし、超激務のパターンもあるとのこと。
業界超大手のS社に勤めている友人は「住宅業界は自分の子供には勧められない」と遠い目で語っていたよ。
「給料は良いけど労働時間が長すぎて仕事以外を充実させられない」ということだよね。
確かに、私もパパが帰ってくるのがいつも夜中で嫌だったな…
就職する前に知っておきたい「住宅業界の闇」5選
- 採用基準は「稼ぎたい気持ち」の強さ
- 激務すぎて離職率が高い
- 社内がブラック化しているパターンが多い
- 「今月だけのキャンペーン」など存在しない
- 値引き幅を考慮した価格設定になっている
「平均年収が高い」
「実力主義」
「お客さまの感謝を直接感じられる」
「一生に一度の買い物に携われる」
上記のように、住宅業界は仕事として魅力的な要素が多いのも事実です。
これほどまでに結果がわかりやすい業界、仕事も中々ありません。
ただしそれと引き換えにトラブルも多く「激務」「ストレス過多」「高離職率」など現実的に大変な部分も存在します。
住宅業界出身者の私から見て、本音やトラブルを綴った本書から共感できた「住宅業界の闇」を5つのポイントにまとめてみます。
ハウスメーカーに興味がある人は要チェックだね…!
①採用基準は「稼ぎたい気持ち」の強さ
本書では、タマゴホーム住宅営業マンの「採用」や「人事」についてもリアルに記載されています。
ある日、店長は中途採用の面接後に下記の人物を採用します。
- 45歳
- 住宅業界未経験者
- 前職はハンバーグチェーン店「ビッグボーイ」の店長
そんな井之上さんを、店長は面接一発で合格としました。
45歳で業界未経験なのに、すぐ採用になるんだ…
そるとちゃん、住宅業界は「入るのは簡単」と言われている理由がここにあるんだよ。
店長は、採用の理由を下記のように語りました。
「彼はかなり金に困っているから」
建前上の動機なんてどうでもいい。
会社からすれば「歩合給」に対して貪欲で、成果を出せる人間が欲しい。
厳しい世界で辞めない。成果に対して貪欲になる。そのためには、お金に困っているくらいがちょうどいいんだね。
上記は極論ですが、考え方は納得できるものがあります。
「住宅営業は会社の製品を個人事業主として販売するフランチャイズの形態に近い」
「売れなくても誰も助けてくれない」
「這いつくばってでも成果を出せる強い心が必要」
「学歴のない人間が1000万も2000万も稼ごうと思ったら、多少は何かを犠牲にしないといけない。そしてその心構えが彼には出来ている」
かくして、前述の「金に困っている」という理由だけで45歳の業界未経験者はタマゴホームに入社することができたのです。
この本に登場する中途入社のおじさん、元々はハンバーグチェーン店「ビッグボーイ」の店長さんっていう経歴にびっくり!
45歳で業界未経験者が入れる業界は、かなり限られるだろうね。
住宅業界の人手の足りなさを象徴してるね。
②激務すぎて離職率が高い
前述の通り、採用基準の緩さが「万年人手不足」を物語っている住宅業界。
結果的に前述の井之上さんは、1年半でタマゴホームを退職してしまいます。
えー!
未経験だけど辞めなさそうだから採用したのに…なんでそんなことになるの?
井之上さんは「プライドが高い」「住宅営業に興味がない」という致命的な欠点が浮き彫りになり、営業所でもお荷物社員として扱いを受けていたそうだよ。
店長の横に座って契約を取るだけ。
文字通り「お飾り営業マン」と化した井之上さん。
店長は営業所の数字達成のため、契約までは面倒を見てくれるかもしれません。
しかし、契約後の完工までは助けるわけもありません。
必然的に井之上さんは実力不足のまま、契約後のアフター対応を迫られるわけです。
契約後のお客さんからのクレーム、社内の厳しい風当たり。
精神的に追い込まれてしまったそうです。
経験者の立場から見ると、正直井之上さんはまだ恵まれている方だと感じました。
契約すら取れずに辞めていく人の方が多い業界です。
井之上さんの退職理由は下記の通りです。
- 面接時は「研修があるので未経験でも大丈夫」と言われていた
- 「未経験可」の割に誰も何も教えてくれない
- 社内の人間関係のストレスが半端じゃない
以前タ◯ホームに勤めていた知人に聞いたところ、営業に限れば3年以内の離職率は余裕で50%を超えると言っていました。
つまり、井之上さんのような人が多いわけです。
大手、中堅、新興ハウスメーカーそれぞれに違いはあれど「万人が続けられる仕事ではない」ことはよくわかります。
たしかに家を買うときの営業マンは信頼できる人から買いたいもんね。
「やりがい」と「ハードワーク」が隣り合わせの仕事だからなぁ。
③社内がブラック化しているパターンが多い
住宅営業マンは前述の激務と重なる形で、ストレスフルな環境が多いことも特筆すべきポイントです。
仮に労働時間が長くても、お客さんとだけ向き合えていれば、それは良い会社でしょう。
住宅系の会社はほぼ例外なく、社内で厄介な会議があります。
「営業会議」と称されるその会議には、住宅営業マンのリアルが詰まっています。
「やる気」「根性」「熱意」「大声」「宣言」と体育会系さながらの現場は、馴染む人を選びます。
大多数の人にとってはブラックと呼べる職場環境でしょう。
社内報告がしんどいのは営業あるあるだけど、家は月に1件も売れないことがザラにある業界だから余計きついよね。
0件だと「おまえ今月何の役にもたってないじゃないか」と罵られることもあるからね。
精神的に参っちゃうんだよね。
④「今月だけのキャンペーン」など存在しない
私が「住宅営業マンぺこぺこ日記」でもっともリアルだと感じたのは、住宅会社のキャンペーン特典についてです。
住宅購入経験者ならよくわかると思いますが、住宅メーカーの営業担当者というのはやたらと決断を急がせたがる傾向にあります。
なぜ、今月じゃないとダメなのか?背景には下記の業界特有の事情があります。
しかしながら、金額も金額だけにそんなに簡単に決断できない人が大半です。
そんな顧客向けに住宅会社は「今月契約特典」「キャンペーン」と称して様々なサービスを謳うケースが多いです。
一例として、下記のように「サービスされたら嬉しい」ものがよく対象にされます。
本書では当時のタマゴホームは「食洗機」「2階トイレ」は営業マンの裁量に任せられていたと語られています。
オプションとは名ばかり。
営業マンのクロージング時の決まり文句として「今月契約いただけたら食洗機サービスします」というセールストークになっていたわけです。
「住宅会社の言うことは話半分に聞かないと危険である」
この事実は、住宅購入検討者は知っておいて損がない内容です。
住宅営業マン、嘘ばっかりじゃん!
一概には言えないけど、周りのトップ営業マンたちを見ていても頭がキレて口が達者な人が多いからね。
全て丸投げすると、営業マンのいいようにされちゃうんだね。
怖い業界だね。
⑤値引き幅を考慮した価格設定になっている
本書では、住宅営業マンの値引きの考え方も生々しく言及しています。
大抵の会社にとって「住宅は値引きすることを前提に成り立っている」という考え方は必ず知っておきたい部分です。
著者の考え方は「値引き交渉は必ずすべき」であるとなっていますが、私も同感です。
「値引き幅は基本的に必ずある」
「交渉失敗したときのデメリットがない」
「いきなり根拠のない値引きを出してきた時は要注意」
上記は、覚えておいて損はありません。
全体的に言えるけど、住宅営業マンを信用しすぎるのは良くないんだね。
友人から相談を受けて同席して、値引きについて私から探りを入れたことがあります。
そしたらいきなり300万円も値引きされた事例もありました。
友人も「嬉しいよりも戸惑いの方が大きい」と言っていました。
ラップアップ
今回は参考書籍や自身の経験をもとに、住宅業界の闇をご紹介しました。
著者は住宅営業について、下記の通り語っています。
- 大変だがやりがいがある
- 感謝を直に感じられる
これはパパも一理あると考えています。
光も闇もある業界です。
最後に一言。
住宅営業マンはわかりやすい実力主義だし、多忙になりがちです。
就職する時は慎重に。
パパには早く帰ってきて欲しいから、もうハウスメーカーには勤めてほしくなーい。
それではまた!